ラーメン二郎には、ほかのラーメン店ではあまり聞かない言葉がたくさんあります。この記事では、初めて行く人が店で困らないように、よく使われる言葉を45語にしぼって説明します。店によってルールが違う言葉は、具体的な店の例もあわせて紹介します。
この記事の要点
- まず覚えたいのは「小」「コール」「ニンニク入れますか?」「マシ」「ロット」の5語です。
- 店で自分から言う必要があるのは、食券のメニュー、麺量の希望、コールの答えくらいです。
- 「ロット」「乳化」「天地返し」などは、知っておくと話がわかる言葉で、店で言う必要はありません。
- 食券を買うタイミングや「マシマシ」ができるかどうかは、店によって違います。
まず覚えたい5つの言葉
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 小 | ふつうの量のラーメン。ただし麺はほかの店の大盛り以上の量です |
| コール | 丼が出る直前に、無料のトッピングを入れるかどうかを伝えること |
| ニンニク入れますか? | コールの合図。店の人がこう聞いたら答えます |
| マシ | トッピングを多めにすること。「ヤサイマシ」のように使います |
| ロット | 何杯分かの麺をまとめて茹でて、一度に出す単位 |
店と系統
直系(ちょっけい)
三田本店で修業した弟子が店を任されている「ラーメン二郎」の店のことです。それぞれの店の経営は独立しているとされています。地方では1店だけのことも多く、京都店は関西で唯一、札幌店は北海道で唯一の直系として紹介されています。なお「直系」は客の間での呼び方で、公式な定義はないとされています。
二郎系・インスパイア(じろうけい・インスパイア)
直系での修業はないものの、二郎に似たラーメンを出す店のことです。極太麺、山盛りの野菜、背脂、濃い味などが特徴とされます。店名に「ラーメン二郎」は付きません。この記事の言葉の多くは二郎系の店でも通じますが、ルールは店ごとに違います。
三田本店(みたほんてん)
港区三田、慶應義塾大学の三田キャンパスのそばにある、すべての二郎の始まりの店です。ファンからは「総本山」とも呼ばれます。1968年に目黒区の都立大学駅の近くで開店し、のちに三田へ移ったとされています。直系の店主の多くがここで修業したと言われています。詳しくは三田本店の記事をご覧ください。
ジロリアン
ラーメン二郎の熱心なファンを指す言葉です。店で使う言葉ではなく、ファンどうしやネットで使われます。
注文と食券
食券(しょっけん)
二郎はどの店も、券売機で食券を買って注文します。メニューは食券で決まり、麺量の調整やコールは口で伝えます。現金だけの店が多いので、千円札や百円玉を用意しておくと安心です。
先買い・後買い(さきがい・あとがい)
食券を買うタイミングの呼び方です。「先買い」は、並ぶ前に食券を買ってから列に並ぶ形です。「後買い」は、先に並んで、順番が近づいてから買う形です。仙川店は先買い、府中店や上野毛店は後買いです。三田本店は、列の先頭から3人くらいになったら買って列に戻ります。初めての店では、店の貼り紙や前の人の動きを見て確かめましょう。
小・大(しょう・だい)
二郎のラーメンの大きさの呼び方です。「小」がふつうの量ですが、それでも一般的なラーメン店の大盛り以上の麺が入っています。「大」はさらに多く、初めての人にはすすめられていません。たとえば一橋学園店の券売機は「小」「小豚」「大」「大豚」の4種類です。
豚入り・豚ダブル(ぶたいり・ぶたダブル)
豚(チャーシュー)を増やしたメニューです。ふつうのラーメンにも豚は入っていて、「豚入り」はそこに追加されたものです。「豚ダブル」はさらに多く、枚数は店によって違います。豚の追加はコールではなく、食券で頼みます。三田本店には「ぶたダブル」の食券があります。
ミニ・少なめ・半分(ミニ・すくなめ・はんぶん)
麺を減らす頼み方です。食券のメニューになっている店と、食券を見せるときに口で伝える店があります。西台駅前店はミニ・半分・少なめ・小・大の5段階、小岩店は少なめと半分がそれぞれ別のメニューで値段も違います。神田神保町店は、並んでいる間に「少なめ」「半分」を伝えます。初めてなら、少なめか半分にすると食べきりやすいです。
麺量を聞かれる(めんりょうをきかれる)
多くの店では、並んでいる間や食券を出すときに、店の人から麺の量を確かめられます。ここで「少なめ」「半分」などを伝えます。環七新新代田店では待っている間に助手から聞かれ、西台駅前店では食券を見せずに「小」「半分」のように口で答えます。コールと混同しないように、ここではトッピングは言いません。
カタメ・ヤワメ(かため・やわめ)
麺を硬めや柔らかめに茹でてもらう頼み方です。麺量を伝えるときに一緒に言います。できない店もあり、小岩店、相模大野店、越谷店は麺硬めに対応していないとされています。
汁なし(しるなし)
スープをほとんど入れず、タレと具を麺にからめて食べるメニューです。ない店もあり、頼み方も店によって違います。亀戸店はラーメンの食券に汁なしの食券を足して買います。大宮公園駅前店は券売機にボタンがなく、麺量を聞かれたときに伝えると追加料金なしで変えられるという情報があります。一橋学園店には汁なしもつけ麺もないとされています。店ごとの汁なし・つけ麺は「汁なし・つけ麺・冷やしが食べられるラーメン二郎」にまとめています。
つけ麺・あつもり(つけめん・あつもり)
麺をスープにつけて食べるメニューです。季節限定の店や、変更の食券を足す店があります。めじろ台店は小や大の食券に変更券を足して頼みます。「あつもり」は、つけ麺の麺を温かいまま出してもらう頼み方で、府中店でできるとされています。
コールとトッピング
コール
丼が出る直前に、無料のトッピングを入れるかどうかを伝えることです。聞かれてから答えるのが基本です。
ニンニク入れますか?
コールの合図になる店の人の言葉です。この言葉はニンニクだけでなく、トッピング全体の希望を聞いています。
ニンニク
刻んだ生のニンニクです。多くの店では、言わないと入りません。
ヤサイ
茹でたもやしとキャベツです。「ヤサイマシ」と言うと山盛りになります。
アブラ
豚の背脂です。甘みとコクが加わります。
カラメ
タレを足して味を濃くすることです。
マシ・マシマシ
「マシ」は多め、「マシマシ」はさらに多めです。マシマシができない店も多く、亀戸店は2020年に廃止したと紹介されています。松戸駅前店では「マシ」も使わず「多め」と言います。
全マシ(ぜんマシ)
4つのトッピングをすべてマシにする頼み方です。三田本店はできますが、西台駅前店はできないと紹介されています。
そのまま
何も足さないときの答え方です。「そのままで」と言います。
抜き・少なめ(ぬき・すくなめ)
トッピングを入れない、または減らす頼み方です。「ヤサイ少なめ」のように使います。
有料トッピング(ゆうりょうトッピング)
食券で買う追加の具です。生卵、うずら、ショウガ、魚粉などがあり、種類と値段は店ごとに違います。たとえば池袋東口店には生姜と魚粉、神田神保町店にはうずら(5個)があり、大宮公園駅前店ではショウガを無料で入れてもらえます。
コールの聞かれ方や言い方の例、店ごとの違いは「二郎のコールとは?意味と言い方を初心者向けに解説」で詳しく説明しています。
麺・スープ・豚
乳化・非乳化(にゅうか・ひにゅうか)
スープの状態を表す言葉です。「乳化」は、スープの水分と脂がよく混ざって白く濁り、とろみのある状態です。「非乳化」は、脂が混ざりきらずに表面に浮き、澄んだ茶色のスープが見える状態です。乳化はまろやか、非乳化は醤油の味がはっきりするとされることが多いです。上野毛店や亀戸店は非乳化の店として紹介されています。同じ店でも日や時期によって変わることがあり、仙川店は非乳化だったスープが「少し乳化してきた」という情報があります。
微乳化(びにゅうか)
乳化ほどではないものの、少し白く濁ったスープのことです。乳化のコクと非乳化のキレの中間とされます。柏店、西台駅前店、朝倉街道駅前店は微乳化のスープと紹介されています。
極太麺・平打ち麺(ごくぶとめん・ひらうちめん)
二郎の麺は、太くてごわっとした平たい麺が基本です。どの店も自家製麺で、太さや食感は店によって違います。府中店は直系でも一二を争う太さと言われ、環七新新代田店は極太の縮れ麺です。一方、仙川店は二郎の中では細めの平打ち麺とされています。
オーション
二郎の麺に使われている強力粉の名前です。日清製粉の小麦粉で、この粉が二郎の硬くて噛みごたえのある麺になるとされています。
豚(ぶた)
二郎でのチャーシューの呼び方です。メニューでも「ぶた」「豚入り」のように書かれます。ふつうのラーメンにも2枚ほど入るのが一般的です。厚みや味の濃さは店によってかなり違います。
ウデ・バラ(豚の部位)
豚に使われる肉の部位の呼び方です。「ウデ」は前脚の赤身が多い部位、「バラ」はお腹の脂の多い部位です。どの部位を使うかは店によって違うとされています。仙台店はバラ肉を巻いた豚、会津若松駅前店は脂の多いバラ肉と紹介されています。栃木街道店の持ち帰りの豚には、ウデ肉や肩バラがあるとされています。
カエシ
醤油をもとにした味付けのタレです。スープと合わせて味の土台になります。コールの「カラメ」は、このタレを足して味を濃くすることです。
カネシ
以前、ラーメン二郎で使われていた二郎専用の醤油の呼び名です。販売していた会社の名前から、こう呼ばれていたとされています。今は別の会社の専用醤油に変わったとされています。
天地返し(てんちがえし)
上にのったヤサイと、下にある麺の位置を入れ替える食べ方です。麺がスープを吸ってのびるのを防ぎ、ヤサイにスープの味をつける効果があるとされています。決まりではないので、しなくてもかまいません。三田本店や仙川店のようにレンゲを置いていない店では、箸だけでやることになります。こぼさないように気をつけましょう。
並び方と店内のマナー
外待ち・中待ち(そとまち・なかまち)
「外待ち」は店の外の列で待つこと、「中待ち」は店の中で席が空くのを待つことです。仙川店は店の中で待つことはありません。京都店は床に中待ち用の番号が書かれていて、沖縄店には中待ち用の席が6席あります。
代表待ち・連れ待ち(だいひょうまち・つれまち)
1人だけが列に並び、順番が近づいてから仲間が合流することです。後ろの人には割り込みと同じに見えるため、多くの店で禁止されています。三田本店、上野毛店、環七一之江店、千住大橋駅前店などで禁止とされています。連れがいるときは、新宿歌舞伎町店のように全員そろってから並びます。
連れと隣どうしに座れるかどうかも店によって違います。府中店はできるだけ隣どうしに座れるようにすると伝えていますが、小岩店は空いた席に順番どおり座る形で、隣を選ぶことはできません。席は自分で選ばず、店の案内に従いましょう。
ロット
何杯分かの麺をまとめて茹でて、一度に出す単位のことです。極太麺は茹でるのに時間がかかるため、まとめて作るとされています。1回の杯数は店や時間によって違い、仙川店は6杯や4杯、京急川崎店は5人分、会津若松駅前店は8杯前後という情報があります。神田神保町店のように、ロットごとに客が入れ替わる店もあります。
ロットを乱す(ロットをみだす)
同じロットの人より大きく遅れて食べたり、食べ終わっても席に長くいたりして、店の流れを止めてしまうことを指す言葉です。店の公式な決まりではなく、客の間での言い方です。罰があるわけではありませんが、食べきれる量を頼んで、食べ終えたら早めに席を立つのがマナーとされています。
ギルティ
マナー違反をした人を責めるときに、ネットなどで使われる俗語です。冗談として使われることが多い言葉ですが、人を責める言い方なので、店でもネットでも使わないほうがよいでしょう。
助手(じょしゅ)
店主と一緒に調理や配膳をする店員のことです。麺量やコールを助手が聞く店も多くあります。助手から店主になる人もいて、環七新新代田店の二代目店主は、もとは新宿歌舞伎町店の助手だったという情報があります。
丼上げ(どんぶりあげ)
食べ終わった丼を、カウンターの上の段に上げることです。片付けが早くなり、次の人が座りやすくなります。池袋東口店、相模大野店、京都店など、多くの店で案内されています。
カウンターを拭く(カウンターをふく)
丼を上げたあと、置いてある布巾で自分の席のカウンターを拭くことです。スープや脂が残っていないか確かめてから席を立ちます。西台駅前店では、拭かないと注意されると紹介されています。
撮影(さつえい)
多くの店では、撮ってよいのは自分のラーメンだけです。池袋東口店には「ラーメン以外撮影禁止」の貼り紙があり、環七新新代田店では動画も禁止です。店内、店員、ほかの客は撮らないでください。撮るなら手早くすませましょう。
私語(しご)
店内でのおしゃべりのことです。二郎では、店内で話さずに食べるのがマナーとされています。環七新新代田店は、並んでいる間も静かにするよう求めています。
量の目安
茹で前・茹で後(ゆでまえ・ゆでご)
麺の重さの数え方です。麺は茹でると水を吸って重くなるので、同じ量でも茹で後のほうが数字が大きくなります。二郎の麺量は茹で前で言われることが多く、三田本店は茹で前で小が約300g、大が約400gと推定されています。一般的なラーメン店の1杯よりかなり多い量です。
g表記の読み方(グラムひょうき)
記事や口コミに出てくる麺量の数字は、店の発表ではなく、食べた人の推定であることがほとんどです。茹で前か茹で後かが書かれていないことも多く、店によって大きく違います。立川店のラーメン280gのように、店の表示とされる数字でも茹で前か茹で後かがわからない例があります。数字は目安と考えて、迷ったら少なめを選びましょう。
よくある質問
Q. マシマシは初めてでも頼んでいい? 頼むこと自体に決まりはありませんが、量がかなり増えるので、初めての人にはすすめられていません。マシマシができない店も多くあります。まずは「そのまま」かニンニクだけにして、量を確かめてからにすると安心です。
Q. ロットを乱すとどうなる? 罰があるわけではありません。ただ、店の流れが止まり、次の人を待たせることになります。食べきれる量を頼み、食べ終えたら丼を上げて早めに席を立てば大丈夫です。
Q. 店によってルールが違うのはなぜ? 直系の店はそれぞれ経営が独立していて、店主ごとにやり方を決めているためとされています。食券のタイミング、マシマシの可否、麺量の聞き方などが店ごとに違います。行く前に各店の記事で確かめてください。
Q. 天地返しはしないといけない? しなくてかまいません。天地返しは客が自分の好みでする食べ方で、店のルールではありません。
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